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私のはたらく姿 vol.1|めがね職人 川谷萌

2019.02.19

いろんな街で、いろんな姿で、いろんな人と、はたらく女性たち。さまざまなはたらき方が増えつつある今、彼女たちの目には一体なにが映っているのでしょうか。自分らしく輝く女性を訪ね、彼女たちのはたらく姿を通じ、そこに眠る思いに触れていきます。

一人ひとりに寄り添うめがねをつくる

持ち主の使いやすさ、好み、シーンなど、対話を交えることで、使い手とつくり手の理想を形にしていく。ビースポークとよばれるその手法で、一人ひとりに寄り添っためがねをつくる「めがね舎ストライク」。今回は、この工房で職人としてはたらく川谷萌さんを訪ね、彼女のはたらき方についてお話を伺います。

何もかもがゼロからのスタート

2016年にお店をスタートするまで、めがね店で10年間、販売員として活躍してきた川谷さん。店主の比嘉さんが「オリジナルのめがねをつくれる工房をはじめるぞ!誰かやりたいやつおる?」とメンバーのLINEで呼びかけたことがきっかけ。川谷さんは「やりたい!」という勢いで、職人への道を歩み始めました。

それから比嘉さんと一緒に、2年かけて工房の準備を進めました。最初は手作業、糸鋸でめがねを切り出していたそうです。「作り方も知らない、材料の調達もわからない、どんな機械が必要になるんだろう。そんなところからはじめて、鯖江のめがね職人の師匠の元を何度も訪ね、一つひとつのことを必死で拾い集めました。機械の電源の入れ方もわからなくて、最初にめがねが掘削機で切り出されたときは歓声があがりました」。店主の比嘉さんと二人三脚でめがねづくりを学び、やがてデザインを比嘉さんが、職人が川谷さんと役割が決まっていきました。

私にしかつくれないめがねを目指して

こうしてはじまった工房も2年がたち、全国から噂を聞きつけた人たちがオーダーにくる、行列のできるめがね工房となりました。それでも川谷さんはお客さまが商品を受け取りに来るときが一番ドキドキするといいます。

「販売員だったときと今では、また違う緊張感があります。お客さまの話を聞いた上で、めがねを作っているので。本当にこれがお客さまの想像していたものになっているのかって。提案の段階では平面図ですし、サンプルを作ったとしても、鼻のかかり方とか、圧迫感とかがないかとか、最後まで、ちゃんとその人にそうものになったか、ずっと自問自答しています」。

自分の目指すところには、まだまだ到達できていないと話す川谷さん。自分にしか作れないめがねを目指し、今日も時間を忘れて何時間もめがねに向き合います。

しゃん”として、工房に立てる服

めがね舎ストライクの工房を支える後輩職人と

白シャツにデニムのエプロン。このスタイルは、工房を立ち上げる際に考えられたもの。「職人といえば作業着ってイメージがありますよね。私達も最初はつなぎを着ようかという話もあったんです。ですが、ビースポークというスタイルでお客さまと対話していくことを考えていたら、作業着は違うなぁという話になって。自分たちもしゃんとできて、お客さまにも安心してもらえる姿で工房に立とうということで、今のスタイルになりました」。

接客する人も、職人も、同じユニフォームで工房に立つ。作業のしやすさだけに目をむけるのではなく、そこに訪れる人にも想いを寄せるユニフォームではたらいていく。めがねづくりのスタイルをそのまま、その姿に映し出しているようでした。

lidウェアを着てみて

本当に軽い!風を通さないんだったらアウトドアとかにも持っていけるとよさそう。色んな色があって選べるようになるともっといいですね!